「夜更けの音楽ファンこんばんは、DJ威力です」
幼少期に無理矢理聴かされたクラシックと厭々習ったピアノが、音楽への愛憎の始まりでした。決して愛という言葉だけでは語れないのが、わたしにとっての音楽です。中高生の頃、NHK-FMで放送していた、日曜夕方の「現代の音楽」、土曜の夜のゴンチチがパーソナリティを務める「世界の快適音楽セレクション」などの番組で流れた気になる曲をカセットテープに録音しては繰り返し聴いていたことから、レコード屋に通うようになる。当時のラジオの選曲をしてみたいという夢が形を変えて叶い、クラブやBAR、野外パーティーから、ライブの転換、商店街、飲み屋、喫茶店、書店、校内放送、個展のBGM、子どものためのワークショップの選曲、芝居の客入れ・客出し、劇中音楽の選曲などで活動中。今作grandpapaは、去年の12月に録音したもの。混線するラジオ、西洋と東洋の血、走る馬、歴史のうねり、船上パーティーの思い出、老人の記憶、走馬灯。ジャケットのピアノを弾く少年の絵は、およそ三十年前、母のアメリカ留学時代に制作した版画です。このMIXを亡き二人の祖父に捧げます。
- DJ 威力